医療とケアの仕事
作業療法士(さぎょうりょうほうし)とは?
作業療法士は、「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格で、心身に障害を持つ人に対して日常生活や社会復帰に向けたリハビリテーションを行う専門職です。 料理・着替え・学習・就労訓練など、生活に直結する活動を通じて自立を支援し、精神疾患や発達障害のある人への支援も重要な役割となります。 理学療法士が「体の機能回復」に重点を置くのに対し、作業療法士は「生活動作の回復」に特化しています。
作業療法士は、子どもから高齢者まで幅広い年代を対象に、年齢や障害の特性に応じた支援を行います。発達障害を持つ子どもには遊びを通じた訓練を取り入れ、高齢者には認知症予防や生活リズムの安定を目的としたプログラムを提供します。また、病院だけでなく、福祉施設や在宅医療の現場でも活躍できる点が特徴です。社会参加を促し、その人らしい生活を取り戻すための重要な役割を果たす専門職として、今後ますます需要が高まっています。
作業療法士の試験概要
| 根拠法令 |
理学療法士及び作業療法士法に基づく国家資格。 日常生活動作(ADL)や社会参加を支援するリハビリ専門職。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 国家試験は「独立行政法人 医療福祉機構(WAM)」が実施。 |
| 受験資格 |
厚生労働大臣指定の作業療法士養成校(大学・短大・専門学校の3〜4年課程)を卒業した者。 入学条件は原則「高等学校卒業」。 |
| 試験内容 |
学科試験(筆記・マークシート方式)。 主な科目:解剖学、生理学、心理学、精神医学、作業療法評価、治療学、リハビリ関連法規など。 |
| 合格基準 |
総得点の60%前後が目安。 必修問題は一定の正答率を満たす必要がある。 |
| 試験日程 |
年1回(例年2月下旬)。 合格発表は3月下旬。 |
| 実技試験 |
国家試験の実技試験はなし。 実技評価は養成校での臨床実習(病院や施設での実習)で実施。 |
作業療法士試験Q&A
- Q1. 合格率はどれくらい?
-
毎年70〜85%ほど。
養成校の学習内容に沿って勉強すれば十分合格可能。 - Q2. 作業療法士はどんな仕事?
-
身体・精神の障害を持つ人の「生活動作の改善」を支援する仕事。
食事、着替え、移動、職場復帰など生活に直結するリハビリが中心。 - Q3. 就職先は?
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病院、精神科病院、老人保健施設、デイケア、児童発達支援、訪問リハビリなど。
精神科・小児領域でも活躍できるのが特徴。 - Q4. 理学療法士との違いは?
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理学療法士は「運動・歩行・姿勢」。
作業療法士は「生活動作・社会参加・こころのケア」が主軸。 - Q5. 大学と専門学校どちらが有利?
-
国家試験の合格率はほぼ同じ。
大学は幅広い学び、専門学校は実践的なカリキュラムが強い。目的に合わせて選べばOK。
作業療法士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 作業療法士:生活動作支援のリハビリに必須
公式情報/出典
- 厚生労働省「作業療法士国家試験」
- 厚生労働省「作業療法士国家試験結果(令和5年度)」
難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※難易度は合格率・学習期間・試験範囲をもとに当サイト独自に評価しています。


