医療とケアの仕事
救急救命士(きゅうきゅうきゅうめいし)とは?
救急救命士は、「救急救命士法」に基づく国家資格で、救急車などに同乗し、医師の指示のもとで救急救命処置を行う専門職です。 心肺停止や重度外傷などの現場で、気道確保や薬剤投与、除細動など高度な救命行為を担います。 消防署や病院の救急部門で不可欠な存在であり、社会的使命感の強い資格といえます。
救急救命士は、救急現場での活動に加えて、災害時や大規模事故発生時にも重要な役割を果たします。現場では迅速な判断力と高いストレス耐性が求められ、命に直結する処置を冷静に実行する力が必要です。また、救急車内で患者や家族に寄り添い、不安を和らげるコミュニケーション能力も欠かせません。近年は高齢化社会の影響で救急搬送件数が増加しており、救急救命士の需要はさらに高まっています。地域医療を支える要として、社会全体からの期待が大きい資格です。
救急救命士の試験概要
| 根拠法令 |
救急救命士法(平成3年法律第36号)に基づく国家資格。 救急現場で高度な救命処置を行う医療専門職として、知識と技能を評価する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 国家試験の実施は「公益財団法人 救急救命士試験研究センター」が担当。 |
| 受験資格 |
以下のいずれかに該当する者: ・救急救命士養成所(専門学校・大学など)を卒業 ・消防士として一定の実務経験を経て指定講習を修了 ・外国の救急救命資格を持ち、厚生労働大臣の認定を受けた者 |
| 試験内容 |
<学科試験> 全問マークシート方式。 主な科目:解剖生理学、救急医学、臨床救急学、感染防護、医療制度・法規、救急処置総論・各論など。 |
| 実技試験 |
国家試験としての実技試験はなし。 実技は養成課程(シミュレーション・実習)で評価される。 |
| 合格基準 |
総得点の60%前後が目安。 科目ごとの足切りはなく、全体の得点で判定される。 |
| 試験日程 |
年1回実施(例年3月)。 合格発表は例年3月下旬。 |
救急救命士国家試験Q&A
- Q1. 合格率はどれくらい?
-
毎年65〜80%前後。
学校での実技訓練が充実しているため、しっかり勉強すれば合格しやすい。 - Q2. 消防士じゃなくても取れる?
-
取れる。
養成学校(専門学校・大学)に通えば誰でも受験資格を得られる。 - Q3. 実技試験はある?
-
国家試験に実技はない。
実技能力は学校の訓練や病院・消防署での実習で評価される。 - Q4. 就職先は?
-
主に消防本部(救急隊)。
ほかに救急搬送会社、病院の救急外来、イベント救護、産業救護スタッフなど。 - Q5. 医療行為はどこまでできる?
-
医師の指示のもとで高度救命処置(気管挿管、静脈路確保、薬剤投与など)が可能。
一般の救急隊員より行える医療行為が大幅に多い。
救急救命士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 救急救命士:救急救命処置を行うために必須
公式情報/出典
- 厚生労働省「救急救命士国家試験」
- 厚生労働省「救急救命士国家試験結果(令和5年度)」
難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度4)
※3年以上の養成課程と国家試験合格が必要で、専門性が高いため。


