建てる・つくる仕事
建築物環境衛生管理技術者(けんちくぶつかんきょうえいせいかんりぎじゅつしゃ)とは?
建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管理技術者・ビル管)は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に基づく国家資格です。 延べ面積3,000㎡以上の特定建築物では、この資格を持つ人を配置することが義務付けられています。 空気・水質・照明・清掃・害虫防除など、建築物の衛生環境を維持管理する専門家です。
ビル管は、オフィスビルや商業施設、病院、学校など多様な建築物で活躍します。設備の故障や劣化を未然に防ぐ予防管理の知識も求められ、建物利用者が安心して過ごせる環境を守る責任があります。省エネや環境保全の観点からも注目されており、近年は環境マネジメントやSDGsへの貢献という面でも重要性が高まっています。
建築物環境衛生管理技術者の試験概要
| 根拠法令 |
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づく国家資格。 大規模建築物の空気・水・室内環境を維持管理する専門技術者を認定する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 国家試験の実施は「公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター」。 |
| 受験資格 |
以下のいずれかを満たす必要がある: ・大学などで理科系(工学・衛生・化学など)を専攻し実務1年以上 ・短大・専門学校卒で実務2年以上 ・高卒で実務3年以上 ・その他、建築物管理に関する実務経験が一定年数ある者 |
| 試験内容 |
学科試験のみ。 主な科目:建築物衛生法、建築物の構造、空気環境、給水・排水、清掃、ねずみ・害虫防除 など。 マークシート方式。 |
| 合格基準 |
総得点の60%前後が目安。 科目ごとの足切りはなし。 |
| 試験日程 |
年1回(例年10月頃)。 受験申請は6〜8月が多い。 |
| 免許交付 | 合格後、登録申請を行うことで「建築物環境衛生管理技術者」として認定される。 |
建築物環境衛生管理技術者Q&A
- Q1. どんな建物で必要になる資格?
- 3,000㎡以上の大規模建築物(商業施設・ビル・病院・学校など)で、選任が法律で義務付けられる。
- Q2. 実務経験がないと受験できない?
-
できない。
最低でも1〜3年程度の実務経験が必須(学歴で年数が変わる)。 - Q3. 理系の学位は必須?
- 必須ではないが、理系学部は受験に必要な実務年数が短くなるメリットがある。
- Q4. 合格するとどんな仕事ができる?
- 空調・設備管理、ビルメンテナンス、環境衛生監視などの責任者として働ける。
- Q5. 難易度はどのくらい?
- 合格率は例年20〜30%前後で、ビル管理系資格の中でもやや難しめ。
建築物環境衛生管理技術者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- ビルメンテナンススタッフ(延べ面積3,000㎡以上の特定建築物の管理責任者)
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理技術者試験」
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理技術者試験結果(令和5年度)」
難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度5)
※実務経験が必須で、合格率も2割前後と低いため。


